言葉は心を斬る

ある人がいたとしよう。
その人は誰に対してもやさしく、親切。頼まれたら嫌とはいえない性格で沢山の人望を集めている。
人知れず良い行いをして、けっしてそれを口に出したりしない。
彼を知る人は皆が「立派な人」だと言うような人物だ。

ある夜、彼は仕事に疲れふらりと一軒の飲み屋に入った。
善人と言われる彼も人の子だ。神様ではない。仕事や人間関係のストレスもあったのだろう。
その日彼はめずらしく酒に酔った。

そして酔うだけならまだしも、運悪く酒の力が悪い方に働いてしまった。
くだをまき、グチを吐き、その場に居たお客さん達に迷惑をかけてしまったのだ。
見かねた店主が彼を店から出し、その場は事が済んだ。

夜風にあたり彼はふと我を取り戻し、自分のしたことを省みた。
「なんて俺は恥ずかしい行いをしてしまったんだ」
彼は反省し、二度とその店には近寄らなかったという。

後日、偶然にも、その日飲み屋で彼と居合わせた客の一人と、普段から彼を知る人物が出合った。
そして話が彼の話題になった時、二人の間ではこんなやり取りがあったという。
「○○さん、知ってるんですか?」「あぁ、この間会ったよ」
「素晴らしい人ですよね、尊敬してるんですよ。」
「えっ?あのろくでもない奴だろ?どうしようもないよね」
「○○さんのことですよね?あの人はそんな人じゃないですよ、りっぱな人です」
「○○さんだろ?会ったからわかるよ。さんざん迷惑かけられたんだから。あの人が立派な人だなんて笑っちゃうね。」
「???.....」

     〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

二人の話はどちらも真実。どちらもその人の姿。
ある人にとっては大好きな人でも、ある人にとっては最悪の人だったりもする。
人はかかわり合いの中でしか存在していないのだ。

ほんのわずかな気の緩み、怠慢が取り返しのない誤解を生むこともある。
例えば、何万という人の命を救ってきた医者が、たった一度の医療ミスによって悪医のレッテルを貼られてしまうこともあるように。

この世界にいい人と悪人がいるとして、自分が悪人だと思っている人はどれくらいいるだろうか?
自分は嫌われ者だと自覚している人はどれだけいるんだろうか?

きっと皆が思っているはずだ。「誰からも好かれる人間になりたい」と。
きっと皆が思っているはずだ「自分はそんなに悪い人間ではないはず」と...。

だけどそれでも人は知らず知らずのうちに誰かを傷つけて生きている。
以前「言葉について」でも書いたことだが、やっぱりそれは人の心の弱さなのかもしれない。


どうしていきなりこんな話をしているかというと、
僕もやってしまったんです。

感情に任せて不用意に吐いた言葉が巡りめぐって僕の心に突き刺さりました。

言葉に関しては、普段から気をつけていたつもりなんですが。
どこかで傲慢になっていたんです。

『話には相手がある 
歯に衣着せぬ話方では 
正しく受け止めてもらえない  
反発の火種になるだけだ』

と、話力総合研究所所長の永崎一則さんも著書で言っている。

誠実であった方がいいとは言っても、思ったことをそのまんま話したら人は傷つくもの。
誠実とは、相手が許容できる範囲までを考えて話すことをいうんだ。

話の決定権は常に相手が持っているものだから。
そのことをわきまえて話さないととんでもない結果を招くこともある。

『言葉はブーメラン』 

『刃物は肉を切り 言葉は心を斬る』

その意味をもう一度心に深く刻み込まなければ。

僕は今、反省の意味を込めてこの文章を書いている。
思いつくままに書いてしまったので取り留めのない文章になってしまったかもしれないが、読んでくれた方には感謝します。ありがとう。

ここからまた、僕は成長しなければいけない。
人を傷つけるのも言葉なら、人を励まし、勇気付けるのも言葉しかないのだから....。



   

稲刈りカウントダウン

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夏もそろそろ終わりに近づいてきたねぇ..。

まだまだ残暑は厳しいけどね。日に日に秋の気配を感じます。

そんな訳で稲の穂もだいぶ膨らんできて、そろそろ稲刈りの季節がやってきますよ。

あっという間だねぇ、ついこの間田植えをしたばっかりだと思ってたらもう稲刈りだもんね。時の流れの速さを感じます。

ところで、

前にも言ったけど百姓仕事は「修行」に近い感じがしてねぇ。

まぁ、百姓に限らずともすべからく仕事は修行なワケですが、

特に田んぼにいるとね、それを感じるんだよねぇ。

それも『禅』の世界に近いかな。この感覚って言うのは他の仕事にはあまり無いような気がする。

なぜなら、独りぼっちでね、ただひたすら大地と格闘するから。

誰とも話さず、誰にも会わず、ただ只管に自然の中で仕事をしてるといろんなことを考えるし、その逆に無心にもなる。
人間って、自然からしか教われないことってあると思うんだよね。

たった一人の力の小ささも感じるし、逆に収穫の時には人間ってすげえなって思うこともある。

誰にもできる仕事ではないって言う意味では僕は貴重な経験をさせてもらってるのかもしれない...。

稲刈りのカウントダウンが始まりました。今年はどれくらい米が採れるのでしょうか。
がんばるぞー。



...な〜〜〜〜んて、ちょうしこいたことを言っては見たものの、

んなわきゃね〜〜っつ〜〜の!!

はっきし言って「うぜーー!!」し、 ちょ〜憂鬱( ̄□ ̄;)じゃ〜〜!!

かったりーし、めんどくせ〜〜!! 親父とけんかしながらやんのもまたムカツク〜!!


やってらんねーぜー!

(○`ε´○) ぺっぺっぺっっだもんねーーー!!!

...ハァ、ハァ、ハァ...失礼、とりみだしました..。


                      
 ...こんな僕に悟りが開かれるのはいつのことでしょう?
                            
                             合掌








西郷ドン小話

ある日、陸軍大将の軍服を着用した西郷隆盛が、若い士官たちと急な坂道を談笑しながら歩いていた。
すると一人の男がいかにも重そうな荷車を引きながら坂道を登って来る。

しかし、あまりの急な坂道の為、一向に登れないばかりか、力及ばず後方へ戻ろうとしている始末。
それを見た西郷は何の躊躇もせず、「どれどれおいどんが押してやろう」と士官たちにも命じて掛け声もろとも力いっぱい押してやると、何とか荷車は坂道を登りきることが出来た。

男は感激し、丁寧にお礼をいいその場を去って行った。

車の後押しをさせられた士官たちは、
「陸軍大将の軍服を召されて、あんな車の後押しなどされたら見た人は笑うでしょう」と言うと、
「かまわん、かまわん。おいどんは何時でも人を相手にしてはおらん。なんと言われようが、よかよか」
と言って、西郷はカラカラ笑っていたという。

                     {高森顕徹・著書参照}
   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

この時代の日本にはこんなスケールのでかい男たちがゴロゴロいたんだよなぁ。

人ばかり相手にしている自分のなんて小さいことか...。










お盆だね

お盆、それはステキな季節。

お盆、それは日本人の心の古里。

いや〜、やってまいりましたね、お盆が!
皆さんはいかがお過ごしかな?

墓参りしましたか?仏壇に手を合わせましたか?元気でいられることに感謝しましたか?

僕は昨日、半日がかりでゴージャスに仏壇を飾り付け、お迎え体制バッチリで今日を迎えました。

早速午前中に墓に先祖を迎えに行き、おんぶして連れてきましたよ(笑)

年に一度の里帰り(先祖の)ですからね、何かと大変ですが、面倒臭がってちゃバチが当たるってもんですよ。

でも最近はこの愛すべきお盆の風習も廃れてきた気がして、僕的には寂しい限りです。

上っ面ばっかりのイベント事ばっかりに夢中になって、日本人はどこへ行こうとしてるのでしょうか?

な〜んて、愚痴ってみてもはじまりません。

我が家ではさっきから小梅さん(犬)が何にもない所を向いて吠えまくってます。

きっと、御先祖がうろちょろしているんでしょう。

明日は般若心経唱えまくり! の、錫杖振りまくり!!でいきますよ〜!

ご先祖様方、待っててね〜!!シャンシャン♪





ガス抜き

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毒がたまってしまいまして...

身体は調子悪いし、おかげでストレスもたまる一方。

ちょいと日常から離れて心を洗いに行きました。

しばらく忘れていた自然。

圧倒的な自然の前で、人はちっさいねぇ。

オーバーヒート寸前だった心の水温計がみるみるクールダウンして、

心のトゲが取れていきました。



でもね、しょせんは応急処置。

帰りの車の渋滞で、もうイラついてましたヨ(笑)

もう一度来たい場所ですね。

またガス抜きに来ようっと。

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BAR is CLOSE

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友人のBARが閉店した。

閉店といっても、とりあえずお店と看板は残るようだが。
友人は店を別の経営者へと手放し、田舎に移り住んで、そこのホテルでバーマンとして働いていくようだ。
彼なりの考えがあってのことだろう。

昨夜はその店の最終営業日。
最終日に行くつもりはなかったのだが、なんとなく気になって足を運んでみた。

店は、よくあるレセプション的な雰囲気とはまったくかけ離れ、業界人もなく、カウンターは常連の客で賑わい、拍子抜けするほど普段通りのリズムで夜は流れていた。

彼らしいなと思いながら、僕はカウンターの隅に腰掛け、酒の飲めなくなった体を恨みつつソフトドリンクをオーダーした。

実は3日前にもこの店には顔を出していて、その時に別れを惜しんで彼の最後のカクテルを飲ませてもらっていた。
まともにカクテルを飲んだのは1年半ぶりぐらいだろうか。

マティーニとギムレット。

案の定、それから体調は優れず、さすがに今夜は飲めそうになかったのだ。

一般客ばかりと思っていたカウンターには、気がつくと彼の先輩バーテンダーが座っていた。
先輩と言っても彼には師匠的な存在の人で、バーテンダーとしての友人を育てた人物だ。

実は友人はその人が最終日に店に来てくれるかをずっと心配していた。
お世話になったその人に最後のカクテルを飲んでもらいたいとずっと言っていたのだ。

僕はその人が来てくれていたのを知り、安心して、心の中で「よかったな」と呟いた。

店は賑わいを見せ、一般客の中に一番の常連を気取ったような奴がいて、そいつがべらべらとやたらでかい声であーだこーだとしゃべっている。二流の客だ。

「うざったいな」と思いながらも、友人のそつない仕事ぶりを感心しながら見ていた。

そんな折、彼はその先輩バーテンダーに最後のマティーニを作って差し出した。
酔っ払ってふらりとうなだれながらもカクテルグラスに口をつけるときは真剣な表情になる。
「これでいいよ..」彼はやさしく言った。

その酒を飲み終えてしばらくするとその先輩バーテンダーが友人に声をかける。
「オレがお前にサイドカーを作ってやる。カウンターに座れ。」
そう言ってその人はふらふらしながらカウンターの中に入っていった。

ゆっくりとした手つきでサイドカーのレシピを入れ、シェーカーを振る。
店の常連たちは皆その突然のイベントに注目している。
「俺にも作ってくれよ」「あんた普段どこでやってんの?」などと調子に乗ったさっきの客がわめいているが、彼はまったく耳を貸さず、作ったサイドカーをカウンターに座る友人の前に出した。

友人はそれを真剣に飲み干し、そしてうれしそうに笑った...。
二人にしか解らない事はあるのだろう。
先輩からの思いがけないプレゼントは彼にとってさぞ感慨深いものだったに違いない。

その先輩が帰るとき、先輩は泣いていた。
そして友人も男泣きに泣いた。

先輩が帰った後も彼はいつまでも深々と頭を下げていた。

その後、彼はカウンターにもどると、吹っ切れたような安どの表情を見せて、
「よし、これで俺の仕事は終わった。ミンナ、後は俺のおごりだから好きなだけ飲んでってくれ!」
彼は蝶ネクタイを外して笑った...。


しばらくして、僕は席を立つ。
「じゃあ、俺はそろそろ帰るよ」
「はい、いろいろとどうもありがとうございました」
「元気でね」

別れ際に彼がこっそり、「ビーフィーター」のセラミックドールを僕に渡してくれた。
店の入り口に飾ってあった30センチほどの人形。
以前僕が店に来た時に欲しがっていたのを覚えていてくれたのだ。
「ありがとう。じゃあ、また」
二、三彼と言葉を交わした後、軽く手を振って、僕は別れた。

店を出てしばらく歩きながら、僕は複雑な気持ちになっていた。
来てよかったという気持ちが半分。
来なければよかったかな?と言う気持ちが半分。

今夜店に来てしまったことで、僕の気持ちは妙にしんみりとしてしまった。

来なければきっとこんな気分にはならなかったことだろう。
新天地へ行く彼をよろこんで送り出していただろうに、彼が店を閉める事が今となっては妙に寂しい。

彼は大口も叩くし、憎まれ口も平気で叩く男だった。
それほど親しい間柄でもなかったが、嫌いな男ではなかった。
何より、大口を叩けるほどの腕を彼は持っていたし、そんな彼を、年下ながらも僕は尊敬していた。

BAR is CLOSE.

また一人、宇都宮から一流のバーテンダーが消えた。



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JOE
シンガーソングマスターやってます

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