言葉について

僕はよく、無口だといわれる。
 自分でも確かに、よくしゃべる人間ではないと思う。
人からは、何を考えてるのか、しゃべらないからよく分からないなどとも言われたりする。

思えば子供の頃はよくしゃべってた気がする。
僕はいつから無口な男になってしまったんだろう。
確かなのは、いつからか言葉の怖さを知ったからだ。

人はそのつもりはなくても嘘をつき、そのつもりはなくても、知らず知らずのうちに誰かを傷つけている。
それは、人の弱さゆえだろう。

不用意な人の言葉で散々傷ついてきた僕は、不用意な僕の言葉で、人をなるべく傷つけないように言葉を選んできた。
言葉を選ぶとね、頭で考えているそのうちに、言葉はあまり意味を持たないことに気がついてくる。

ところで、
僕はライブバーという仕事をはじめてから、いろんな人に会ってきた。
仕事柄、もっぱら話は聞き役に回ることが多い。
 それはかえって僕にとっては好都合なことなのだが、ぺらぺらと言葉の軽い男の人は、見ていてあまり格好良く見えないのは不思議だ。
いや、そのおしゃべりが人を幸せな気持ちにするものなら素晴らしいのだが、
耳を傾けると、だいたいそういう人は、自分の話しに酔っているように聞こえる。
そして他愛も無い事ならよいが、けっこう一言多かったりして。
そしてその一言がどれだけ相手を傷つけたかがまるで分かっていない...。

「一句一句が辞世である」と言ったのは確か松尾芭蕉だったろうか。
とてもそこまでは出来ないが、一言一言の重みを心して発したいと僕は思う。

よくしゃべる人が、話し上手ではない。
話の価値は、言葉の量でもない。
沈黙以上に価値のある言葉はどれだけあるのだろうか。

沈黙以上に価値のある言葉は、どれだけあるのだろうか...。
2004/12/18(Fri) 05:37:28 | 日記
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JOE
シンガーソングマスターやってます

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